初恋が教えてくれたこと

小学生の頃、ずっと好きだった人がいました。初恋です。当時は学校ではもちろん、放課後もその男の子と頻繁に遊びにでかけ、休みの日には彼の野球の試合を見に行ったりと、周りからも公認の仲でした。
しかし、突然父の仕事の都合で地方に転校することとなり、小学生の淡い恋も自然と終わってしまいました。
それから10年ほど経ち、高校3年生になったころ、突然以前の友人から連絡があり(既に携帯電話が普及し、簡単に連絡を取ることができる時代となっていました。)、その彼と再会することになったのです。
音大を目指していた受験生の私は、夏休みを利用し都内で講習会を受けることになっていたので、スケジュールを合わせて再会する約束をしました。
緊張しながら待ち合わせ場所へ行くと、そこには小学生のころの面影は一つもない、金髪にサングラスをかけた彼が座っていました。すっかり地方の空気に染まってしまっていた私には若干怖く感じられましたが、中身は当時のままで居心地のよさを感じていました。それからは、離れていた時間を埋めるかのように連絡を取り合い、当然のようにお互い惹かれていきました。そして、私の受験が終わったら付き合おうと(彼は大学付属の高校へ行っていました)約束をし、遠距離恋愛が始まりました。
半年後、約束通り付き合いが始まり、単身で上京した私にとっての大きな心の支えとなっていました。
毎週彼と会う日だけが楽しみで、彼からの連絡を携帯を握り待つ日々の中で、彼はバイトやサークル、コンパに楽しみを見出していくのでした。
お互いにプライドの高い私たちでしたので、ズレていった気持ちが再び重なることなく、あっという間に別れの時はやってきました。
たくさんの良い思い出やドキドキがあった反面、別れる直前の彼の態度にひどく傷つきましたが、彼のことを好きな気持ちはなくならず、しばらく誰も信じられない状態になりました。それから私の恋愛観は大きく変わりました。”まず第一に自分を考えられる相手と恋愛をしよう”と。相手のことばかりを考える恋愛だと自分も相手も擦り切れてしまうような気持ちになったのです。そのような恋愛は長続きしないし、傷つくことが多いと感じ、無意識のうちに守りに入ってしまったのでしょう。
それでもときどき、あの時のような気持ちになれたら・・・と思い出してしまうのは不思議です。